【竣工のお知らせ】柿の木と暮らす、25坪のコンパクトな住まい

現場報告

横浜市で進めていた「柿の木のある家」が、無事竣工を迎えました。
敷地に佇む1本の柿の木をそのまま活かしながら、延べ床面積25坪のコンパクトな住まいを計画しました。

モスグリーンの外観とシンプルなかたち

外壁はモスグリーンのガルバリウム鋼板で全体を包み、軒の出を省いたシンプルなフォルム。
落ち着いた色合いが、周囲の自然や柿の木の緑と美しく調和します。

緩敷地は緩やかな傾斜地にあり、東側隣地との高低差にも配慮しました。
安全性が不確かな大谷石の擁壁が接していたため、建物の基礎を高基礎とし、万が一の事態でも上部構造への影響が及ばない設計としています。

柿の木を囲むように──庭と吹き抜けのある暮らし

玄関から居間に入ると、目の前には柿の木のある小さな庭と、それに面した吹き抜けのリビング空間が広がります。
この庭を住まいの「起点」とし、吹き抜けのある居間、和室、階段などをゆるやかにつなげる構成にしました。

南側は隣地の建物が少なく、光がたっぷりと差し込み、視線も抜ける気持ちの良い空間になっています。

暮らしに寄り添うディテール

高基礎による床の段差は、空間を不自然に分断するのではなく、本棚や収納スペースとして賢く活用。限られた面積の中でも、機能と居心地を両立させる工夫が詰まっています。

高基礎部の内側に断熱をしことによる段差を利用して本棚を設置しましました。

また、2階寝室の北側の窓からは、丘陵地の風景が望める心地よい眺めも楽しめます。

「柿の木のある家」は、

  • 周囲の地形や既存の自然を読み解き
  • 小さな面積の中に豊かな空間の流れをつくり
  • 暮らしの機能と安心・安全を両立させた住まい

です。

これからご家族が、この場所とともにどんな暮らしを紡いでいくのかとても楽しみです。

竣工年月:2024.11
所在地:神奈川県
構造・規模:木造 2階建て
延べ床面積:85.49㎡
C値:0.2㎠/㎡
UA値:0.35W/㎡K
耐震等級:等級3
施工:アソビエ湘南
写真:百武てつ吾