雑司ヶ谷の家

築39年のマンションリノベーションです。既存は1階に居間食堂、2階を個室として利用していましたが、南側に面して駐車場があり、1階では日中はカーテンなどを閉めて生活されていました。2階はとても日当たりが良いのですが、生活の中心は1階でしたので、少し暗い印象を受けました。クライアントも2階を生活の中心としてリノベーションしたいとのご要望でしたので、2階の日当たりの良さを十分に享受できるように計画をしました。

既存建物は東西方向に細長く、南側に長いバルコニーがありました。バルコニーに面して居間食堂や個室、室内物干し場をレイアウトし北側に水回りや納戸をまとめています。バルコニーに面した南側のサッシは中桟があり下半分が半透明のガラスとなっている古いデザインのサッシでした。光は取り入れながらもサッシの古さをあまり感じさせないため今回は古くから日本建築で使われている雪見障子を取り入れました。通常、雪見障子は、下半分の障子を引き上げて座ったままお庭を眺めることが多いのですが、今回は反対に上半分の障子を引き下げて既存サッシを半分隠しました。椅子に座った時にちょうど良い高さで視線が抜け、気持ちの良い空間になりました。

竣工年月:2025.2
所在地:東京都
構造・規模:鉄骨造3階建て建物の1階と2階
延べ床面積:85.49㎡
施工:真柄工務店
写真:百武てつ吾