【竣工】「西寺尾の住まい」——地形と向き合い、光と風を引き込む家
先日、横浜市で計画を進めていた「西寺尾の住まい」が無事に竣工しました。
この住まいが建つのは、尾根と谷が入り組む起伏に富んだ住宅地。
敷地は旗竿地で、四方を隣家に囲まれています。
さらに、東と北の境界は高低差のある擁壁に囲まれ、周囲の視線や採光の取り方が大きな設計課題となりました。

唯一の抜けを活かす設計アプローチ
そんな条件の中で、唯一視線が抜ける南側の道路側に着目し、まずはダイニングをその位置に配置。
ここから全体のプランニングをスタートさせました。
リビングダイニング部分は平屋構成とし、
奥の個室や水まわりは2階建てとすることで、外から見るとコンパクトな印象に。
一方で、リビングダイニングの内部は勾配天井とし、
実際の面積以上におおらかで伸びやかな空間になるよう計画しています。

快適で省エネな住まいを目指して
住宅の基本性能にもこだわり、
UA値:0.44W/㎡K、第一種換気を採用し、断熱性能をしっかり確保。
気密測定ではC値:0.1㎠/㎡と非常に高い気密性を実現しました。
また、2階の屋根には太陽光パネルを設置。
自然エネルギーを活用し、これからの暮らしに寄り添う省エネ住宅となっています。

限られた条件の中でも、敷地と丁寧に向き合うことで心地よい住まいはつくれる——
そんなことを実感したプロジェクトでした。