【訪問記】有元利夫展 @ THE MIRROR(松川ボックス)

建築めぐり

先日、THE MIRROR(松川ボックス)で開催されている
有元利夫展を見に行ってきました。

https://coubic.com/themirror

宮脇檀さん設計の「松川ボックス」

この展覧会が開催されている松川ボックスは、建築家宮脇檀さんが設計した1971年竣工の住宅で、数年前からアートギャラリーとして再活用されています。

建物は小さなコンクリートの箱の中に、木組みの家具のような構成要素が収められているようなつくり
控えめなサイズの開口部から差し込む自然光が室内に陰影をもたらし、とても美しい空間でした。

小さな可愛らしい玄関。

光と影、そして生活の場

私自身も、住宅を設計する際には開口部をむやみに大きくせず、室内に明暗のグラデーションをつくることを意識しています。
その中で、明るい場所と少し暗い場所にそれぞれ適した生活の機能を配置するようにしています。

松川ボックスでも、明るい居間と、やや陰った寝室、小さな読書コーナーには天窓からの柔らかい光
それぞれの空間の明るさと用途がとても自然に結びついていて、暮らしの心地よさがにじみ出ているように感じました。

木組み部分は骨組みが見えるデザインになっています。
居間は洋室ですが、窓には障子が入っています。洋風と和風のデザインがミックスされています。
天窓には薄いルーバーが付いていて、柔らかい光に変換してくれています。
勾配屋根がせまってくる2階の踊り場は小さな読書コーナーになっています。

有元利夫の作品と空間の相乗効果

展示されていた有元利夫さんの作品は、静かで奥行きのある表現が印象的で、
この光と影の豊かな空間にとてもよく合っていました

作品と建築空間が互いに引き立て合うような展示体験ができるのは、こうしたギャラリー空間ならではだと思います。

ご興味ある方は、ぜひ足を運んでみてください。
空間そのものを体験することが、建築の魅力や暮らしのヒントにもなるはずです。