【展覧会レポート】暮らしを愉しむ建築のかたち|阿部勤の“いえ”に触れる一日

建築めぐり

先日ギャラリーエークワッドで開催されている「建築家・阿部勤のいえ展 暮らしを愉しむデザイン」を訪れ、トークショーにも参加してきました。

暮らしの中に、豊かさを感じる住まい

まずは展示空間をじっくりと鑑賞。
これまでに阿部勤さんが手がけてきた住宅の図面や模型、写真を通して、空間構成の面白さとコンクリート打ち放しの中の豊かな生活が感じました。

デザインは決して派手な造形ではありませんが、日常の中にじんわりと馴染む、静かなデザイン
そこには、住まい手と時間が育む空間が存在しています。

私の師匠、若原一貴さんによるテキスト「建築家・阿部勤が目指したもの」
「中心のある家」の食堂部分が原寸大で再現されています。2.1m巾の食堂の大きさが体感できます。

トークショーで語られた“空間を崩す”という発想

トークショーには、建築家・若原一貴さん、アルテックOBの渡邉康さん、建築ジャーナリストの磯達雄さんが登壇。

トピックは、阿部勤さんの空間構成へのアプローチについて。

「図式的な空間構成をベースにしつつも、生活に合わせて少しずつ崩し、変化させていく。その“揺らぎ”の中に、暮らしの心地よさが宿っていく」というようなお話をされていました。

写真で振り返る、「中心のある家」

最後に2019年に参加した東京建築アクセスポイントのツアーで訪れた阿部さんの自邸「中心のある家」の写真をご紹介します。


2階の書斎とソファーコーナー
1階の食卓隣の窓辺にもソファーコーナーがあります。
書斎に座る阿部さん

展覧会とトークショーを通して、設計の論理性と、暮らしの感性をどう両立させるかが大事だと感じました。