【訪問記】原広司さん設計、粟津潔さん自邸兼アトリエへ

少し前になりますが、建築家・原広司さんが設計した、グラフィックデザイナー・粟津潔さんの自宅兼アトリエを見学する機会がありました。
現在は息子さんである粟津ケンさんが運営するギャラリースペースとして活用されています。
実はこの建物、私の実家から徒歩10分ほどの場所にあり、小学生の頃から「なんだか変わった建物だなぁ」と思いながら、何度も前を通っていた場所でもあります。
そんな建物にようやく足を踏み入れることができ、とても感慨深い訪問でした。








外観と内観のコントラスト
外観は無機質なコンクリートの箱型で、窓も少なく閉じた印象。
しかし、ひとたび中に入るとその印象は一変します。
建物の中央には、三層を貫く大階段が配置されており、まさにこの建築の心臓部のような存在。
その階段を中心に、階段下のスペースや左右の空間も巧みに活かされていて、それぞれの部屋に個性がありました。
部屋のかたちが細長かったり、窓が多かったりと、決して「整っている」わけではないけれど、それぞれに意味と魅力を感じさせる空間でした。
動きたくなる家
見学中は気づけば何度も階段を上り下りしていて、
その動きすら「楽しい」と思わせてくれる住まいだったのが印象的でした。
通常なら億劫に感じる垂直移動も、ここでは空間のつながりや視線の抜けが誘い、自然と動きたくなります。
ご興味ある方は、ぜひギャラリーとしての公開機会に訪れてみてください。